□高校時代バスケットボールをしていましたが、いつも監督に試合途中の苦しいときこそ声を出し、手をあげろ、走れと何度も何度も教えられました。
辛いのは相手も一緒だからと、当たり前だけど今思えば、とても大切なことを監督は教えてくれていたんだなーと最近は思うのです。
声を出すという行為は、僕はここにいるよ、パスをくれってことを仲間に伝えるんです。
声出さなくても見れば解らない訳ではないのですが、声があることで、なんとなく見方がその辺にいるんだなーってことが解ることで、その先を読んでノールックでパスを出したり、その先のプレイが生まれたものです。
建築やデザインも良いモノを作れば伝わるさ、みたいな考え方もありますが、やはり丁寧に僕はここにいるよ、こんな事をやっているよと、今までやって来ました。
それは広島を拠点にしているから、その声を遠くまで届ける必要があったりしたのかもしれないですし、建築やデザインに興味のない人が、どうすれば建築に興味を持ってくれるのかと言う事を、ずっと考えてきたからかも知れません。
そして苦しいときこそ頑張るということも、誰もが大変だったり、悩むからこそ、更にそこを追及することで新しさや、誰もが到達できない領域を見るけることが出来るということでもあるんだなと、いまは良く理解出来るようになりました。
バスケットを通して監督は、多くのことを僕に伝えてくれていました。
いまは悩んだときは必ず苦しい方向へ進み、その苦しさを楽しみに変えながら設計に関わる事ができていることを心から楽しんでいます。
そして僕たちの楽しみが、少しでも多くの方にとっての豊かさにつながる、そんな事務所の姿を目指していきたいと思うのでした。