□先日、電車の中で、とても嬉しい出来事がありました。
それは、小さな子供にお母さんが、ピアノの基礎練習について話していました。
内容は、あまり聞こえませんでしたが、必ず子供の目線まで、母親はしゃがんで、鍵盤をひくようなゼスチャーで、子供の眼を見ながら話していました。
一見、なんでもないようなこの行動は、僕らの仕事のスタンスにも非常によく似ています。
解っていても、相手の気持ちになり、同じ目線で建築に向かい、出来る限り共有出来る環境をつくること、解っていても非常に難しいことです。
しゃがむという、ひとつの動作は、いたって簡単ですが、一度立ってしまうと、なかなかしゃがまなくなるのが、日常かもしれません。
しゃがむ事を、面倒に思うことなく、いつでも同じ目線で、建築に向かいたい、そう強く思わせていただいた、ささやかな出来事でした。